「読み聞かせはしているけど、自分で読まない」
「絵本を自分で読むのはいつからなの?」
「絵本から児童書へ、どう移行すればいい?」
読み聞かせで本に親しむことはできているけど、次のステップに進めないと悩みますよね。
この記事では、本好きな7歳と4歳を育てる30代ママの私が、我が子の実体験を踏まえ、ポイントをまとめています。
読み聞かせが好きなら、それは本を楽しめているということ。
/ここまでの取り組みはバッチリです!\
文字が読めるのと、本が読めるという状態には、かなりのギャップがあります。
焦らず、ゆっくりと、自分から本を読む習慣につなげていきましょう♪
読み聞かせで自分で読まなくても問題ない
3歳頃から文字に興味を持ち、4歳になると短い絵本を読み始めたような子だと、6歳頃には幼年童話や児童書が読めるようになっています。
このような子は、親が熱心に読み聞かせをしてきた家庭に育っているはずです。
そんなお友達が身近にいたら、
うちの子はまだ読まないけど、一人読みさせた方がいい?
とちょっと不安に思いますよね。
読み聞かせを好むのは当然のこと
ひらがなを読めるようになっても「読んで~」といつも本を持ってくる。
絵本は好きでも、自分では読もうとしないのは、甘やかしてるから?
ひらがなが読めるなら、本を自分で読ませるべき?
そんな疑問が浮かびますが、子どもが読み聞かせを好むのは当然のことなんです。
文字を覚えて読めるようになっても、文字を目で追って、文章を理解することで精一杯だから。
自分で読むと、まだ本の内容に集中できないんですよね。
もし、今はまだ自分で読めなくて、周りの子は読めていたとしても、それはたった数ヶ月や一年そこらの差です。
長い人生の中で、それっぽっちの差なわけです。
小学校に上がって勉強を続けていけば、すぐにうまる差なんですよね。
大好きな親に楽しいお話を読んでもらえる、読み聞かせの時間。
親に読んでもらうその時間が大好きだってことですからね。
読んであげようとしても断られる時期がいずれ来るんだから、本人が望むうちは読み聞かせを続けてあげたいです。
「本を読むと楽しい」が大事
声を大にして言いたいのは、読み聞かせを通して、本が好きになっているなら、それだけでこれまでの取り組みは順調だってことです。
楽しい経験をつみあげて読書習慣になる
「本を読むと楽しい」という経験がつみあげられて、それから読書習慣がついていきます。
楽しいから読む、娯楽なんですよね。
幼年童話や児童書の読み聞かせが始まると、一体いつまで読めばいいんだろうと途方に暮れることもあるけど…
子どもが自分で読むことを、そんなに焦る必要はないんです。
文字が読めて、文章の内容がわからないと、楽しくない。
楽しくなってからじゃないと、自分では読まない。
「文字が読める」と「本が読める」のギャップ
文字が読めるようになっても、まずは一文字ずつ読むわけですね。
例えば「お、そ、ら、の、う、え、に」というように。
その次に「“おそら”の“うえ”に」と、言葉を認識します。
この段階だと、良くても頭に浮かんでいるのは青い空のイメージぐらいでしょうか。
でも、読み聞かせで「おそらのうえに~」と読んでもらっているときの頭の中には、たくさんの想像が浮かんでいそうです。
「広いお空かな」「雲はこんな形かな」
「空の上にはおひさまがいるよね」「虹もあるかな」
など、お話を聞きながら想像力を働かせられるんですよね。
これが、読み聞かせの醍醐味で、お話を純粋に楽しめる理由になります。
英語に例えてみると、よく分かります。
特に英語が得意な人じゃなければ、中学英語レベルの本でも、自分で読むのは疲れますよね。
ゆっくり読んでもらえば、簡単な文章なら理解することができて、お話として楽しめるけど、
自分で読むとなると、目で単語を拾いながら、文法を考えながらで、内容がすんなりと頭には入ってきませんよね。
それと同じで、子どもにとっては覚えたてのひらがなが読めても、お話をすんなり理解できることとイコールではないんです。
幼年童話、児童書と絵本の違い
絵本好きの子どもに育ったら、次のステップは幼年童話や児童書です。
- 絵本:絵が重要。絵がないと成り立たない。
- 幼年童話:文章で成り立つ。理解を助ける挿絵が豊富。
- 児童書:文章で成り立つ。挿絵は補助的。
私自身、「絵本育児するぞー!」という意識はありましたが、その次ステップの知識がなく、つまづきました。
絵本と違い、パラパラと見て内容を全部把握することができないので、選ぶのが難しいと感じたのです。
読む順番に決まりはない
絵本→幼年童話→児童書と、順番に進んでいく必要はありません。
幼年童話として有名なのは、「いやいやえん」や「ふらいぱんじいさん」「ふたりはともだち」など、たくさんあります。
童話を読み始めたから、絵本なんてレベルが易しすぎる、ということはありません。
興味があるなら、もっと絵の少ない児童書を読むことがあってもいいし、字の少ない絵本を読むことがあってもいいのです。
この時期は行きつ戻りつしながら、絵本もお話も楽しめる、素敵な時期なんですね。
幼児が読むなら実年齢向けより易しい絵本
読むための絵本は、実年齢向けよりも優しい絵本を選ぶといいです。
娘が小さい頃嬉しそうに読んでいたのは、ブルーナの「わたしほんがよめるの」。
字を読み始めた子に、ぴったりの絵本です。
我が家の下の息子はもうすぐ4歳半ばですが、まだ自分で本は読めません。
でも、私は急がなくていいと思っています。
文字が好きな娘、数字の方が好きな息子。
例え姉弟でも、子どもは一人一人興味関心が違います。
ついこの間まで、ほとんど書くことをしなかった息子ですが、興味を持った途端あれよあれよと上達して、急に絵が描けるようになりました。
文章こそ読めない息子ですが、絵本の絵を読むのは大好きです。
静かだなと思ったら、集中してページをめくっていることがよくあります。
きっと、私が読み聞かせている声を脳内で再生しながら、絵を読んでいるんだと思います。
そんな息子も、文章を読むことに興味を持てば、すぐに読み始めるようになるんじゃないかな。
何より大事なのは、本人の興味、そして楽しむことです。
絵本で物足りなくなってきたら短い童話
年長さんや小学生になると、絵本の内容じゃ物足りなくなることも。
そんな時には、短い童話がおすすめです。
というのは、一冊に何話も入っているような長いお話は、子どもが自分で読むには最初のハードルが高いから。
娘が童話や児童書に移行する時期に、私が調べると、ロングセラーの「いやいやえん」や「エルマーのぼうけん」などをおすすめする声が多くありました。
いいんです、確かに楽しいお話で、良質な本なんです。
でも、今まで絵本を読んでいた子が、「はい、じゃあこのお話一つずつ読んでみようね」と言われて読める量じゃないんですよ。
そこに気づかず、毎日毎日どれほどの児童書を読み聞かせてきたか…
寝る前の読み聞かせが小一時間になっちゃうんです。
しかも、自分で読んでみるには文字が小さいから、いつも読み聞かせでした。
だから、もっと短い童話を選ぶのがいいです。
幼児でも、小学校低学年向けと書かれたお話が、意外とちょうど良かったりしますよ。
漢字があっても、フリガナがふってあれば、習っていないものも読めます。
こんな童話や児童書を読み聞かせ
例えば、「ふたりはともだち」は文字も大きく、一つ一つのお話が短いです。
「まりーちゃんとひつじ」は、お話は一つですが区切りがあり、繰り返し表現が多いので、一人読みを進めやすいです。
「チュウチュウ通りのゆかいななかまたち」は、全10巻あり、どれから読んでも楽しめますよ。
お絵描き好きの娘は、シリーズの中で「レインボーとふしぎな絵」がお気に入りです。
区切りがあるので、少しずつ読み進められます。
「かいとうドチドチ」シリーズは、区切りがないのですが、文字が大きく読みやすいです。
子どもが興味を持つ短い童話や児童書を選んで、少しずつ読み聞かせしてみてください。
読み物の読み聞かせは、時間も使うし、親は正直つらいですね。
でも、読み聞かせると、親も本の内容を一緒に楽しむことができます。
子どもは、親が読むのを聞いて、読み方を学ぶこともできます。
娘は、自分で本を読んで覚えた言葉を、変な発音で使っていることがありましたが、
文章内での自然なイントネーションも、読み聞かせを通して伝えることができます。
長い本だと、娘は、「モモちゃんとアカネちゃんの本」が好きで、少しずつ読んでいました。
「エルマーのぼうけん」などは自分で読まなかったのに、同じような長い読み物でも、興味があれば読むようになるんだなと思いました。
長い童話を読み聞かせて、もし反応が薄くても、「うちの子には早すぎるのかな…」と決めつけないようにして下さいね。
子どもによって関心が違うので、よくおすすめされている有名な本でも、興味を示すものと示さないものがあって、当然です。
我が子は、冒険ものにはあまり興味がなく、かわいい女の子が出てくるお話が好きでしたよ。
本が身近にある環境作り
子どもが自分で読書をするようになるには、家庭内の環境が大切です。
よく言われることですが、親も本を読む姿勢を見せないとダメですね。
子どもが本を手に取りやすい、本が身近にある環境を整えるのは、親の役割です。
絵本の定期購読で本を増やす
読書環境を整えようと思ったら、おそらく、まずは図書館に行こうと思いますよね。
もちろん図書館も、ガンガン通ってください。
ただ、図書館にもデメリットはあります。
それは、借りた本は必ず返さないといけないということ。
この前読んだあの本、今読みたいな
と子どもが思ったとき、もう返却していたら…?
せっかく芽生えた本を楽しむ気持ちが、薄れていくでしょう。
図書館「だけ」で、読書習慣を身につけるのは、なかなか難しいです。
わざわざ本屋さんに行って選ばなくても、上質な絵本が家まで届くのが、嬉しいポイントです。
「絵本の定期購読って、送料もかかるしお得感がない」
「配本リストを参考に、自分で用意すれば良くない?」と、私はずっと思っていました。
ところが、我が家が今年から始めたワールドライブラリーパーソナルは、とってもお得。
海外絵本を翻訳した、おしゃれで珍しい絵本が、毎月1冊1300円(送料・税込み)で自宅に届きます。
本によって値段が変わることはなく、中にはなんと定価2750円のものも!
そして、6歳や7歳でも、しかけ絵本もラインナップに含まれています。
自分ではなかなか選ばないジャンルの絵本が届くので、興味を広げるきっかけになっていてありがたいです。
気になるラインナップは公式サイトで確認できます。
ワールドライブラリーパーソナル(5歳向け絵本ラインナップ)読みたくなる絵本がいっぱいで、でも本屋さんで買うほうが高い…よし!入会だ!と、我が家は始めました。
支払いは月ごとなので、合わなければ気軽にやめられるのも、嬉しいポイントです。
一人読みに向けてやってはいけないこと
「もう読めるんだから自分で読みなさい」と、一人読みを無理に強制してしまわないように注意です。
そうすると、子どもが「本を読むのは大変だ」「もう読みたくない」と、離れてしまう可能性があります。
読み聞かせが好きなら、それは本が好きだということ。
既に、本を楽しむことはできているんですよね。
もっとスラスラと文章が読め、頭に入り、ちゃんと内容が理解できるようになれば、自分で読み始めます。
「親が本を開くのは読み聞かせの時だけ」はNG
親が本を読んでいる姿を見せることも大切です。
私のように読書習慣がなくて、何を読んでいいか分からない親御さんは、子ども用の児童書を一緒に読み進めるといいですよ!
親が本を開くのが読み聞かせの時だけだと、子どもに「本は読み聞かせてもらうもの」というイメージがついてしまうかも。
子どもが自分からは本を開かないという場合は、読み聞かせ以外でも親が本を開いているかを考えてみてください。
親がテレビばかり見ていれば子どももテレビっ子に、スマホゲームばかりなら子どももアプリばかりに…
子どもは親をよく見ていますよね。
読み聞かせは卒業しなくていい
本が自分で読めるようになっても、読み聞かせを卒業する必要はありません。
一人読みと、読み聞かせとは、別のものだと考えます。
子ども自身が「もう読まなくていい」と言うまで、存分に読んであげればいいんです。
挿絵の少ない昔話や幼年童話を読み聞かせるのも、自分で本を読むことにつながります。
というのは、文章を聞いて、頭の中でその情景を想像できないと、本を楽しむことができないからです。
絵が少なくても、文章を理解してイメージを描けるか、そこに気を配ってみてください。
文章から想像する力がないと、お話を読んでも何も頭に描けず、面白くないんです。
そして、面白くないから、本を読まない。
「本を読むのは楽しい」という気持ちがあって、初めて本を読めるようになります。
「読んであげてばかりだと、自分から読まなくなる」なんてことを言う人もいますが、違います。
自分で読むのではまだ本を楽しめないから、読んでほしいんです。
「もう読まないで」って言われる日がいつか来ます。
読み聞かせが楽しいと思ってくれる間は、こちらの時間が許す限り、つきあっていきたいです。