小さい頃から読み聞かせが推奨されていて、読書が子どもにとっていいということは、よく知られています。
でも実際、「読書をするってそんなにいいの?どんな効果や影響があるの?」「今、うちの子はあんまり本を読まないけど、やっぱりさせたほうがいい?」と、疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
読書をあまりしない場合、気になるのは学力への影響ですよね。子どもの読書習慣には、家庭環境が大いに関係するのが事実…。学校任せ、本人任せでは、読書で学力アップは夢のまた夢です。
私は小学生の頃、図書館で限界まで借りては、1日で読破するのが好きな子どもでした。小学生の娘は、小さなころから読書が大好きに育っています。
この記事では、読書効果アップのために家庭でしている取り組み2つと、実際に感じる読書のメリット4つをご紹介します。
読書習慣=勉強ができる?学力に効果があるって本当?
読書をする子ほど賢い、というイメージを持つ親は多いのではないでしょうか?また、「国語の成績が悪いから本を読ませたい」と思うけれど、実際のところ成績にどれほど結びつくのかが気になる人もいるはず。
女優の芦田愛菜さんが読書好きなのは有名で、賢い子は本をよく読んでいるイメージがあります。しかし、必ずしも、本を読む子全員、勉強が得意になるわけではありません。
「子どもの頃から本は好きだったけど、二流大学だよ」なんて人もいます。逆に、勉強ができる子は全員、よく読書しているかというと、そうでもありませんよね。
私は学区内トップの進学高に通っていましたが、本が好きな友達とそうでない友達がいました。卵が先かニワトリが先かで、相関関係はあっても因果関係があるかはわかりません。
ただし、学校で使う教科書も「本」なので、活字を読み慣れていると教科書の内容もすぐに理解できます。文章が読めれば、算数が文章題になると解けないなんてことも起きないでしょう。国語力があれば、そんなに苦労することなく学校の勉強がこなせると思います。
家庭でできる!読書効果をアップさせる取り組み2つ
読書に効果を期待したい・読書を習慣づけたいなら、家庭でできることを考えるのがおすすめです。
最近は、多くの小学校で「読書週間」や「朝の10分間読書」など、読書への取り組みが行われています。先生によっては、「○○ページを目指そう」など、具体的な目標達成を促しているクラスもありますよね。
子どもの読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであり、社会全体で積極的にそのための環境の整備を推進していくことは極めて重要である。
参照:文部科学省 子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画
小学生が本をよく読むようになるには、そうした学校での取り組みだけでなく、家庭環境が重要です。
親子で読書の感想をアウトプットし合う
読書の効果を高めるには、読んだ後に感想をアウトプットするのが効果的です。
どこが面白かったのか、主人公と自分は似ていたか(自分ならどうするか)、他の人におすすめするのはどんなポイントかなど、親子で話ができるといいと考えています。
ただし、あまりに毎回本の感想を聞きすぎると、子どもが嫌になってしまうので注意が必要です。
「本は楽しい」「読書は楽しいもの」というイメージを抱き続けられるよう、子どもの気持ちに水を差さないように気をつけています。
私は、本を読み終わった娘に、週に1回ぐらいは「どうだった?この本おすすめできる?どんな部分が面白いか教えてー!」と聞いています。
また、親も子ども用の本を読んで、自分から感想を伝えるというのもいい方法です。図書館で借りたはいいけど、まだ手をつけられていない本があったら、(子どもに聞いてから)親が先に読んじゃいます。
「この本、お菓子屋さんのお話かと思ってたけど、メインはそうじゃなくてね。意外な方向に話が進んでいって、予想より面白かったよ!」など、子どもも読みたくなるような声掛けをしています。
子どもがすでに読み終わった本を親も後から読んだときは、感想を伝えるようにしています。
「お母さんは○○で失敗してやり直しになると思ったけど、△△が出てきて間に合うなんて、うまくやったなぁと思ったよ。主人公のやり方は、お母さんならしないけど、<娘ちゃん>ならどうする?」こんなやり取りをしていると、娘からも読書の感想をアウトプットしてくれることが増えました。
知りたい気持ちを探究。関連本で深掘りする
子どもが何かに興味を持ったら、関連の本を用意してあげます。分からないことを本で調べるときや、興味の持ったことについて本で深掘りするときには、もともと知りたかったこと以外についても、知識を得ることができるからです。
私たち親はつい、何でもGoogleにぽんっと言葉を入れて検索しますが、本で調べるときは、そうはいきませんよね。
電子辞書か紙の辞書がいいかの論争を例にすると、電子辞書は目当ての単語をすぐに調べられて便利です。一方、ページをぱらぱらとめくっていくうちに目的の単語以外も目に入って知識が増えるので、紙の辞書の方がいいという人もいます。
それと同じで、平安時代の十二単について知りたいと思ったとき、「十二単とは」で検索すれば、すぐに答えが出ます。しかし、平安時代についての本を開けば、十二単のことだけでなく、紫式部の源氏物語の話が横に載っていて、新たな知識になるんですよね。
読書には、こういった予期せぬ出合いがあるのもメリットです。
小学生が読書をするメリット4つの実体験
そもそも小学生が読書をすることでどのようなメリットがあるのか、我が家で実際に感じている主な4つをまとめてみました。
- 豊かな語彙や表現を学べる
- いろいろな世界の疑似体験ができる
- 想像力が養われる
- 集中力がつく
本を読むことは、直接的に学校での成績アップにはつながらないかもしれません。しかし、長い目で見た時に養いたい力や、知識を得ることができる点が大きな魅力です。
豊かな語彙や表現を学べる
小さい頃から読み聞かせをしていると、子どもが突然絵本のフレーズを真似て使うことがありますよね。耳で聞いた言葉を覚えて、日本語を身につけていくのだから、子どもって本当にスゴイ!と感心します。
また、本を読んでいて知らない言葉に出合ったとき、前後の文脈から推測して読み進めますよね。英語の本を読むときも同じですが、わからない単語をその都度全部調べるわけではありません。
よく考えれば、子どもにとっては実生活の会話でも、国語の読解問題でも、知らない語彙が出てくることがあります。そんなとき、本を通して推測する力がついていると、知らない語彙も想像して理解できるようになるんですよね。
いろいろな世界の疑似体験ができる
子どもは遊ぶのが仕事といわれるほど、机上の勉強だけでなく、実際の体験が重視されています。だから、読書に限らず、いろんな体験ができるといいんです。
例えば、散歩や公園に行ったり、博物館に行ったり、工作をしたり。毎週末旅行で全国を回ったり、海外旅行へ出かけたり…なんて、現実的には無理ですよね。
自分自身で実際に体験できることは、限られています。魔女の魔法体験!空を歩いてみよう!なんてこともできないので、本の出番というわけです。
読書では、プリンセスや魔女、探偵や海賊の気持ちになったり、海外の知らない土地について知ることもできます。本を通して、いろんな世界のことが体験でき、新しい知識を身につけられます。
想像力が養われる
本の中では、擬人化したヤギが出てきたり、地下のお城を探検したり、侍の時代へタイムスリップしたりします。自分の知らない世界や、空想の世界について、想像を張り巡らせて読んでいくことになりますよね。
年長~低学年向けの幼年童話や児童書には、挿絵がたくさんあります。そこから本格的な読書になってくると、どんどん絵は少なくなり、活字から場面や気持ちを想像することになります。
読書経験が乏しい子は、ほかの子どもとトラブルになっても、うまく解決できないことがあるそうです。お友達が悲しんでいるときに寄り添ってあげられたり、困っている人を助けられたりする子に育ってくれたらうれしいです。
集中力がつく
ただぼーっと眺めているだけでは、本の内容は頭に入ってきません。読書をするというのは、その時間本に集中しているということです。YouTubeやテレビなら、流れてくる情報をぼーっと眺めていればいいんですけどね。本はそうはいきません。
小学生は授業に集中しないといけないし、宿題もあります。本が読める子はさっと集中する力があるので、宿題をこなすのも早くなりやすいです。
また、何かに集中している間は、気持ちが落ち着きます。没頭して本を読んでいると、心のもやもやもいつの間にかすっと消えていきますよね。読書をすることで気持ちを安定させられるので、ストレス解消に役立ちます。
読書が落ち着いて楽しめる趣味になれば有意義だと思っています。
読書のメリットを得るには、楽しむことが大切
読書のメリットを得て、国語力を伸ばすには、本を楽しんでたくさん読むことが大切です。
文部科学省が委託した「読書活動と学力・学習状況の関係に関する調査研究」によると、「読書好きであるかどうかが教科の学力の様々な部分と強い関連を示し、その関係の強固さが明らかになった」ようです。
※参照:読書活動と学力・学習状況の関係に関する調査研究 分析報告書
たくさん本を読むには、家庭が読書に適した環境であることが大事になります。本が手に取れる場所にあるとか、家族も本を読むとか、図書館や本屋へ行く機会が多いとかです。
本好きは1日にして成らず。子どもに読書のメリットをプレゼントしてあげられるように、親が環境を整えることをおすすめします。